ル-ツ

どこから見ても日本人の容姿をした女性と話しをする機会がありました。お互いにイタリア語で会話していたので会話の途中で、「ごめんなさい。もしかして、日本人の方ですか?日本人でしたら、日本語でお話しできたら嬉しいんですけど...」と言うと、「(笑)違います。よく日本人と間違われるんですけど、日本人じゃありません。コロンビア人です」と。えっ!と驚きました。コロンビア人ってこんな容姿でしたっけ?

とは言っても、この女性は、物心つかないうちにスイス人の家族に養子に出されたので、自分がコロンビア人であることは知っているけれど、コロンビアに行ったこともないし、自分の親がどういった人たちかも知らない。自分のル-ツを何も知らないのだと言います。でも子供ができたので、子供にはそういったことも伝えて行きたいけれど、何も知らないのだと、少し寂しそうに目を伏せました。

こちらでは、移民や難民も多いですが、外国からの養子をもらう人たちも多く、このル-ツに関する...なんというか、さまざまな想いというか...そういうものを目にします。私は日本人の両親のもとに生まれ、国は世界最古の歴史を持つ日本。そういうことを思い出すと、なんだか随分と幸せな境遇に生まれたのであるな、と。お金持ちだとか、学歴や経歴だとか、容姿だとかそういった意味で恵まれてるというのではなく、ある程度ル-ツが分かる境遇に生まれたということで。

ル-ツの語源には、根っこというのもありましたよね。この根っこ、人に置き換えてみれば、祖国の歴史や神話、祖先のことなどがその人の根っこになるかと思いますが、日本という世界から見れば恵まれたル-ツを持つ国の人間であっても、最近はこのル-ツが随分揺らいでいるように感じます。自分の国のこと、祖先のこと、私ってどれだけ知ってるっけ?コロンビア女性の「自分のル-ツは何も知らない」という言葉を聞きながら考えます。

「もしかしたら、私の血の中には日本人の血も混ざっているのかもね」。コロンビア女性が笑いました。本当に、そうとしか思えないほど、色白の東北美人のような彼女でした。

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by natsu2015h | 2015-12-02 18:27 | 日々の雑感